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部族国家と中国による支配
インドシナ半島東岸の南北に長くのびた国であるベトナムは、紀元前から部族国家を形成していました。秦の始皇帝以降は、およそ千年に亘り中国王朝の支配を受けましたが、一部地域ではいくつかの王朝が成立していました。中国の支配力が低迷をみせると、南北の地域で力をもった王朝が大きく発展していきました。
植民地から民主国家へ
それから、フランスやスペインの連合軍による占領が始まり、19世紀末にはフランス領インドシナが成立しました。フランスは米作プランテーションや鉱山業などの輸出産業で商工業の発達を押し進めますが、大半のベトナム人の生活は貧しく、反発を招きます。そのような中、日本軍がインドシナに進駐。ベトナムはフランスと日本の二重支配構造になります。1945年に日本が降伏すると、同年ベトナム民主共和国樹立が宣言され、ホー・チ・ミンが初代大統領に就任しました。
ベトナム戦争後社会主義国家に
しかし、1954年に締結されたジュネーブ協定により北緯17度線で軍事境界線が引かれ、国土は分断されました。その後、分断された国家の南北統一を巡って戦争が勃発します。長い戦争が続いた中、1973年に調印されたパリ和平協定と1975年のベトナム戦争終結によって統一が成立し、ベトナム社会主義共和国が樹立されました。
経済の発展
統一を果たした後も他国との戦争が続きましたが、東南アジア諸国連合(ASEAN)への加盟や、2007年には世界で150番目の世界貿易機関(WTO)の加盟を果たし、経済的な発展の道へと進んでいきました。近年は第二、第三次産業の急成長を見せるほか、ユネスコ世界遺産に文化遺産と自然遺産合わせて5件もの登録があるなど、観光業の伸びも大きくみせています。